お茶と茶道具: 京都の和菓子

2015年06月10日

八坂神社清々館の月釜に参加させていただきました。

先日、ご縁がございまして、八坂神社清々館の月釜に参加させていただきました。

 和菓子屋となりまして数年たちますが、本格的なお抹茶の茶会には初めて参加させていただきました。
 通常、
「お茶人様がいらっしゃって、お客様がいらっしゃる」
 和菓子屋はお茶人様の影となり、おもてなしのお手伝いをさせて頂くというのが本来の姿であり、お茶室へはお菓子をお持ちさせていただくことはありましても、裏方に徹するものと教えられてきました。
 その本筋を忘れたわけではないのですが、「何事も勉強」ということで、表から客として参加させていただきました。受付の方にその胸をお伝えしましたところ、快くお受け入れくださいました。
 また「初めてだったら」と正客を務めさせていただき、得難い体験をさせていただきました。
 なんの心得もございませんが、お茶人様、他のお客様のおかげで楽しく体験させていただくことができました。

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 梅雨のはじめということで、「一雨潤千山」(いちうせんざんをうるおす)のお軸が飾られていました。
禅の言葉で
「夜半からのたった一雨で、すべての塵芥を洗い流してくれたかのような美しい朝となったよ」
というような意味や、
「わずかに身を濡らすだけの雨も、まわりを見渡せば、あらゆるものをゆったりと潤している様子」
など、いろいろな解釈があるそうです。
京都の八坂神社のこの茶室にこの時期に飾られていることで
「もうすぐやってくる梅雨もそう悪くはないですよ」
というような意味にも思えてとても清々しい思いでした。
 
八坂神社月釜
 お茶とお菓子も美味しくいただきました。

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 和菓子も、五感全てを使って体験してもらう芸術の一端を担わせていただいているのだなと改めて再確認させていただきました。
posted by Wataru Kanaya at 19:21| Comment(0) | お茶と茶道具

2014年05月10日

手揉み煎茶

手揉み煎茶

先日の永谷宗園茶店様での新茶会にて、煎茶の手揉み実演が行われました。
新茶会の模様
普段はプロの仕事である伝統的な手揉みの煎茶が実演されていて、また来場のお客様が体験もされています。
そうして出来上がったお茶葉がこちらです。
手揉み煎茶
プロの方が始めから最後まで仕上げた最高級品ではございませんが、この葉そのものの形はなかなか珍しいのではないでしょうか?
 少し前までは木になっていて摘み取られ、幾人もの人の手をへて出来上がるお茶というものに少し触れられた気がしました。
 味は素朴でじんわりとした旨味があります。葉いちまいいちまいからエネルギーをもらっているようでした。
posted by Wataru Kanaya at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | お茶と茶道具

2014年02月14日

有田焼 御煎茶器

有田焼 御煎茶器
 当店が和菓子屋を創業いたしましたのが安政三年とつたわっています。当家自体も、初代金谷正廣である金谷庄七が金沢から京都へ出て来て(元は金物屋だったので金谷という屋号になったそうです)始まりましたので、当時からの物も数多く眠っています。いわゆる宝物のような物はありませんが、明治初めごろからの古い道具が沢山ございます。
有田焼 
こちらは比較的近年の物が置いてある場所から見つけキレイにしてみました。宝瓶と湯さまし、それに五客のお茶碗のセットになって箱にはいっておりました。
 有田焼、佐賀県の有田町を中心に焼かれている焼き物で、伊万里港から出荷されていたため、伊万里とも呼ばれているそうです。
 古美術の世界でも古伊万里、初期伊万里などといわれ江戸時代の物は高値で高値でとりひきされています。
 私も印象としては、青の染め付けと中期に代表される唐草文様が、中国的ではない丸みを帯びた線で描かれ、しかし何処か異国情緒の漂うオシャレな磁器という印象でした。
こちらは、恐らく近年の物で、作りも素人目には少々あらあらしいように思えます。
 外箱には有田焼 御煎茶器 瑞祥 と表記があり、あけてみると山水画が描かれたものでした。
しかし伊万里の特徴である、にじんだ染め付けの青い色、米のとぎ汁を目指したといわれる完全では無い白色。大陸のからの影響での山水画もすこしぼやけた細かい線で日本的な可愛らしさを感じられます。また、御煎茶、玉露を楽しむのにちょうど良い大きさに作ってあります。
 メインの宝瓶はこちら。
有田焼 宝瓶
後ろからみますと
 有田焼 宝瓶 後ろ姿
玉露にちょうど良いサイズで茶漉し穴は大きめのサイズで30前後あいています。
有田焼 茶こし
手持ちの京都の朝日焼の宝瓶は小さな穴が150ですから、おおざっぱな作りですが、所変われば御茶も変るように九州も御茶の産地で有名ですので、九州の御茶には丁度良く作られているのかもしれません。
 御茶の販売をされている方に御聞きしたのですが、急須と湯冷まし、茶碗はできれば同じ素材の物を使う方が良いとされているそうです。磁器も天然素材で出来ていますので、茶を入れた時に出る土のミネラル成分が土や物の時期により違うので、味が変わるそうです。まさか、そこまで自分の舌に自身はありませんが、産地に行き、その土地の空気の中で味わうものはやはり違うように感じます。
 有田焼 御煎茶碗
御茶碗は五客セットになっていました。飲み口は薄くて僅かな湾曲で口当たりは大変いいですが、何故かかなりざらついている(飲む時は解らないですが、触ると解ります)のはどういった役目があるのか、またはそういった物なのか、これがたまたまそうなのか、、気になるのですが調べてもわかりませんでした。
有田焼 湯冷まし
湯冷ましはかわいらしい形。
 写真では解りにくいですが、宝瓶と茶碗は渋いかっこいい図柄なんですが、これだけなんとなくジブリっぽいといいますか、線もくっきりかわいらしさを感じます。
 日本人の作ってきた道具には日本人の心が宿っていると思います。和菓子は食べ物ですので、当時の現物は見る事は出来ないのですが、古い道具を知る事で少しでも伝統を学ぶ事が出来ればと思っています。有田焼はこの他にもいくつかあるので、掃除と細部点検ついでにこちらでもご紹介させて頂きたいと思っております。
posted by Wataru Kanaya at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | お茶と茶道具