京都の和菓子

2015年07月12日

練切り「鉄線」

少し前にお作りさせていただいた生菓子になります。
 通常6月はじめの季節では、紫のお花は「桔梗」か「鉄線」か、、というところで、一般的には鉄線ではういろう生地を使った物が多くなります。
 桔梗と違って、みなさんが思い浮かべる鉄線がいろいろだと思います(実際、白い花びらに中央に紫が入っているようなものを思い浮かべる方も多いかと思います。)が、こちらは紫色で製作させていただきました。
 通常、花びらが多ければ多いほど細工の手間は増えていきますので、6枚花びらでしかも二筋の線を入れ、また、花びらを上むきに細工していくので、簡単なお菓子の三倍の手間がかかってしまいます。
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 そのため、ういろう生地で作ったり、木型で押していったりするのもひとつの形なのですが、せっかくだからと手間暇込めて製作させていただきました。かなり大掛かりなお茶会のご注文だったのですが、おかげさまでご好評いただいたようで、大変ありがたいお仕事をさせていただきました。
 ちなみに、中央の「におい」と呼ばれる雄しべと雌しべの部分も、薄紫と黄色のグラデーションになっております。
 お茶会には使えないような「細工を凝らした」お菓子も手間さえかければいくらでも作れるのですが、たくさんのお客様におもてなしするためにはある程度量産できなければ意味がありません。
 もちろん生物ですので、作り置きもできませんので、その辺が難しいところなのです。
posted by Wataru Kanaya at 14:58| Comment(0) | 季節の菓子

2015年07月10日

舞台公演に「真盛豆」が出演させていただきました。

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 先日、京都アトリエ劇研にて行われた日置あつしさんの『茶×コンテンポラリーダンス×日本舞踊』の舞台公演「ORAMG Moss [苔人]」にて、真盛豆をおつかいいただきました。
 日本舞踊、コンテンポラリーダンス、茶のコラボレーションという舞台でした。
 お点前は右前方で行われており、普段なら、お軸やお花が飾られるようにダンスがあり移りゆく踊りとお点前が同時進行してゆく不思議な公演でした。

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 また、タイトルが「苔人」でテーマが「苔」であるところから、真盛豆をお使いいただきました。
北野大茶会の時、細川幽斎が「苔のむす豆」と例えたと言われが残っている通り、苔のような見た目のお菓子ということでお選びいただきました。
 舞台公演では飲食などはできませんので、入り口で冷茶とおもにお配りになり、また、演出の最後の重要なアイテムとしてもお使いいただきました。
 大河ドラマやテレビには出演させていただいたことがあるのですが、舞台に上がるのはおそらく初めての事だったと思います。

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 いつの時代にも新しい面白い試みがたくさん行われ、その中から選択され残っていくものが芸術や文化として継承されていくものと思います。
 伝統的なお菓子を作り続ける一方で、新しい試みにお使いいただいたことは大変嬉しく思います。
posted by Wataru Kanaya at 19:01| Comment(0) | ニュース

2015年06月10日

八坂神社清々館の月釜に参加させていただきました。

先日、ご縁がございまして、八坂神社清々館の月釜に参加させていただきました。

 和菓子屋となりまして数年たちますが、本格的なお抹茶の茶会には初めて参加させていただきました。
 通常、
「お茶人様がいらっしゃって、お客様がいらっしゃる」
 和菓子屋はお茶人様の影となり、おもてなしのお手伝いをさせて頂くというのが本来の姿であり、お茶室へはお菓子をお持ちさせていただくことはありましても、裏方に徹するものと教えられてきました。
 その本筋を忘れたわけではないのですが、「何事も勉強」ということで、表から客として参加させていただきました。受付の方にその胸をお伝えしましたところ、快くお受け入れくださいました。
 また「初めてだったら」と正客を務めさせていただき、得難い体験をさせていただきました。
 なんの心得もございませんが、お茶人様、他のお客様のおかげで楽しく体験させていただくことができました。

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 梅雨のはじめということで、「一雨潤千山」(いちうせんざんをうるおす)のお軸が飾られていました。
禅の言葉で
「夜半からのたった一雨で、すべての塵芥を洗い流してくれたかのような美しい朝となったよ」
というような意味や、
「わずかに身を濡らすだけの雨も、まわりを見渡せば、あらゆるものをゆったりと潤している様子」
など、いろいろな解釈があるそうです。
京都の八坂神社のこの茶室にこの時期に飾られていることで
「もうすぐやってくる梅雨もそう悪くはないですよ」
というような意味にも思えてとても清々しい思いでした。
 
八坂神社月釜
 お茶とお菓子も美味しくいただきました。

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 和菓子も、五感全てを使って体験してもらう芸術の一端を担わせていただいているのだなと改めて再確認させていただきました。
posted by Wataru Kanaya at 19:21| Comment(0) | お茶と茶道具

2015年05月12日

そろそろ夏のお菓子が始まっています。

5/5までは柏餅とちまきに翻弄されていました。
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柏餅は「こし」「みそ」を基本としていて特に味噌餡がお好きなお客様の家庭では「味噌餡だけで!」とご注文いただくこともあります。

柏の由来は古代にまで遡り、当時は食物を包んだり食器として使われた葉を、総称で炊葉(かしぎは)などと呼んでいたそうで、それが”かしわ”に転じ、現在の柏にその名が残ったという説があります。

 九州地方では味噌餡があまり見かけられないそうです。
現在当店で作っている味噌餡は普通の甘い白あんにみそを混ぜ込んだものです。
 柏餅は古代から続くもの。一方、お砂糖が日本で一般的に庶民の口に入るようになったのは江戸時代だそうですから、昔の柏餅は「甘くない」ものだったことでしょう。
 最近はお菓子を「甘すぎない」「甘くない」と評価することがよいとされている風潮があります。お茶やお飲み物とご一緒に楽しまれるよう甘さを調整させていただいております。この「甘味のある」お菓子で、お砂糖が口に入るようになり、伝統的な味噌餡にも砂糖が加わり、和菓子の文化が進化していった江戸時代の晴れやかさを感じていただけるかもしれません。
 また、食べ物に季節を感じることが少なくなっていますが、節句、季節の節目を感じ、夏に向けての心構えと健康を願っていただけたらと思います。
 そのほかにも、6月の「水無月」夏の「あんころ」、秋の「月見団子」などなど、定番のお品はご注文と店頭でのみお取り扱いさせていただいております。

 ちょうど、柏餅の配達に寄せていただいたお宅のお庭に綺麗なあやめがさいていました。
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よく、上生菓子で表現され、この季節に欠かせない意匠となっております。
複雑な模様が、どことなくオリエンタルな情緒を感じさせます。
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お菓子では分かりやすく紫色を使って作ることが定番となっていますが、白いあやめも綺麗でした。

 5/5が済むと徐々に夏のお菓子に変わっていきます。店頭の商品も夏物に向けて変化するのですが、早々と水まんじゅうのご注文をいただきました。
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ぼたんのピンク色をつつむ水まんじゅうです。
 とくに春の季節は、少し先取りしていただくと、明るい雰囲気の夏のお菓子がたくさん使えますのでオススメいたしております。
 お茶会、お稽古などのご注文、市内配達承っておりますので、どうかお気軽にお声掛け頂けたら幸いでございます。

posted by Wataru Kanaya at 18:34| Comment(0) | 季節の菓子

2015年04月26日

五月の上生菓子

五月の上生菓子
 春のさくらのお茶会シーズンもひと段落いたしました。
端午の節句には柏餅とちまきをご予約のみ取り扱っております。
 さて、ゴールデンウィーク開けからはまた春から初夏にかけてお茶会がたくさんあり、生菓子のお見本もたくさん作らさせていただいております。
五月 上生菓子
 この日は上から青梅、あやめのきんとん、黄色のバラ、椿を提出ささせていただきました。お一つからでもご予約承っておりますのでお気に入りいただきましたら是非お願いします。
 また、お茶会、お稽古などへは市内配達もご相談させていただいております。
季節感のある京都らしいお菓子を是非お試しください。
posted by Wataru Kanaya at 19:42| Comment(0) | 季節の菓子